2021.02.23
神戸市で個人事業を営んでおられるAさんが事務所に相談に来られたのは、
令和元年の6月でした。
幼児教室の事業が行き詰まり、
10社以上の金融機関から総額1800万ほどの負債と、
住宅ローン、オートローンなど多方面で負債を抱えておられました。
当初は自己破産を、というよりそれ以外の選択肢はないとのお考えでしたが
涙を流されながらゆっくりとお話をお聞きしていく中で、
まだ小さいお子様のためにも、出来るなら住み慣れた環境を変えたくないご意向が窺われました。
そこで提案させていただいたのは住宅ローン特則を用いた個人再生です。
個人再生手続は、個人の債務者で将来における継続的又は反復的な収入の見込みがある人なら、
一定の要件のもと誰でも利用できます。
逆に言えば、安定した収入の見込みがないような場合には、個人再生手続は厳しいものとなります。
過去に何度も自営の方の個人再生を受託させて頂きましたが、
個人事業の方の個人再生でネックになるのはこの安定した収入です。
自営の方はお勤めの方と異なりどうしても収入にバラツキが出てしまいます。
Aさんとは打ち合わせを重ねて、
アルバイトや他の特技を生かした収入を得るように頑張って頂きました。
再生計画に対する異議申し立てが予測される債権者との事前協議も行い、
様々な課題を解決し個人再生の申立てが出来たのが昨年の4月の事でした。
申立て後は再生委員の選任もあったため、
時間がかかりましたがようやく個人再生が確定となり、
負債は1800万が300万円まで圧縮され無事に生活の再建をすることが出来ました。
もちろん住まいは以前のままで、継続して住宅ローンを支払って行くことになります。
個人再生は見るポイントも多く事務所の経験が問われる債務整理の一つかと思います。
お悩みの方は是非ご相談下さいませ。
現状を第三者に相談し、解決方法を理解することで気持ちが楽になるかと思います。
神戸・兵庫の「街」のホームロイヤー
司法書士 福嶋達哉