いわゆる一人っ子の場合では、
父死亡後に母と子による遺産分割協議書が無ければ法定相続通りの2件の申請をしなければなりません。
登記研究という実務雑誌にそのような内容が掲載された後は、法務局でも実際そのような運用となっております。
遺産分割協議書とは文字通り2人以上で協議したもので、
権利が一人に帰属してしまった場合はその後協議はできず、
遺産共有関係を遡って解消することはできなくなるという理屈のようです。
2021.04.12
父が亡くなり、特に相続手続きをしないまま数年後に母が亡くなり、
相続人が兄弟2名だけとなった状態での相続登記のご依頼を頂きました。
本来、相続が発生した場合にはその時の相続人間で遺産分割を行い相続登記までをしなければいけません。
しかし、こういったケースは意外にもとても多く、実務では「数次相続」と呼ばれております。
では、相続手続き上でどのように相続登記をすればいいのでしょうか。
今回、お父様が亡くなられて順にお母様が亡くなっております。
この場合、お父様を被相続人として考えると、
母が4分の2・兄弟4分の1ずつの相続権を持っており、
母がその4分の2の相続権を持ったまま死亡したということは、
結果として兄弟二人が父の相続分を半々で取得したことになります。
では、単純に父の相続財産をそのまま二人が法定相続で取得することができるように思えますが、
相続登記手続き上は、その不動産を誰がどのような原因でどういった順で取得したのかを明示する必要があります。
原理原則では、父が死亡したことにより母4分の2、兄弟が各4分の1の登記を申請した後に、
母の4分の2の持分について兄弟で協議し名義を変更する形となります。
しかし、そのような方法を取ると相続登記に関する費用(登録免許税等)が余計にかかってしまうことになります。
こういったケースの場合、父母の相続をまとめて遺産分割してしまう方法を使います。
具体的には、一通の遺産分割協議書の中に父母の相続について記載する、
つまり、兄弟は「父親の相続人であると同時に、父親の相続人であった母親の相続人」という立場で遺産分割する事になります。
これであれば、直接父から兄弟へ名義変更することが可能ですし費用も手間もかからなくて済みます
ただし、これはあくまで兄弟で協議出来たから可能な方法となります。
いわゆる一人っ子の場合では、
父死亡後に母と子による遺産分割協議書が無ければ法定相続通りの2件の申請をしなければなりません。
登記研究という実務雑誌にそのような内容が掲載された後は、法務局でも実際そのような運用となっております。
遺産分割協議書とは文字通り2人以上で協議したもので、
権利が一人に帰属してしまった場合はその後協議はできず、
遺産共有関係を遡って解消することはできなくなるという理屈のようです。
神戸・兵庫の「街」のホームロイヤー
司法書士 福嶋達哉