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債務整理について
奨学金の返済が遅れています

2021.12.14

 

奨学金の返済が遅れていることについて相談を頂きました。
 

 

 
今、大学生の2人に1人は奨学金を利用しています。ほとんどの先進国では、奨学金は給付されるもので返済の必要はないのですが、日本の奨学金は「貸与型」のものが多く、それは本人が背負っていく「借金」を意味します。最近では、所得の減少や雇用形態の変化により、学生時代に借りた奨学金の返済が滞り、残元金と利息のほか、膨らんだ延滞金(約束の返還期日までに返還されないと課される利息)を含めて一括返還を求められるケースが急増しています。
 

 

 
延滞が長期間続いている場合には、奨学金の借入先は、裁判所の支払督促などの法的措置をとってくる可能性があります。支払督促とは、債権者(奨学金の借入先)の一方的な申立てにより裁判から発令されるもので、支払督促を受け取ったまま何もせずに放置しておくと、通常の裁判と同様、債権者の言い分だけが裁判所に認められ、最終的には給与や預貯金の差押えがされる恐れが生じてしまいます。
 

 

 

また、次のような独自の救済制度を採用している奨学金制度もあります。現在延滞中であっても、その理由が低所得や病気など、一定の返済できない事情によるときは、その証明書と願い出を提出して、返済を一時停止(猶予)してもらう制度(その間は、利息も延滞金も発生しない)や、一回あたりの割賦金(奨学金の分割返済金)の額を減らして返還期間を延長する減額返還制度等です。猶予制度の利用により、利息や延滞金が減額・解消したり、割賦金の減額返還制度の利用により、分割返済ができる額にまで縮減されることもあります。
 

 

 
 支払総額が膨大で完済の目途が立たない場合には、生活再建のため破産・個人再生などの法的整理を検討した方が良いケースもありますが、親や親戚が保証人になっている場合には、仮にあなたが裁判所に破産の申立てをして免責(借金の支払義務がなくなること)を得られたとしても、保証人の債務(奨学金を返さなければいけない義務)は解消されないので注意が必要です。
 

 

 
神戸・兵庫の「街」のホームロイヤー
司法書士 福嶋達哉